Switch版「SANABI」をクリアしました。
評判の良さは聞いていましたが、実際に遊んでみるととても楽しいしストーリーや演出もすごく良かったです。
ネタバレが致命的な作品なので、前半はネタバレなしの感想、後半にネタバレありの感想を書きます。
SANABIは2Dのアクションゲームで、ワイヤーアクションで駆け回ったり敵と戦う作品です。道中に探索要素はなく、とにかく目的地に進んでいく感じです。
最初は「難しそうかな……?」と思ってたのですが、アクション部分の手触りは良く、敵に対するオートエイムなどもあるので思っていたよりはとっつきやすかったです。
敵への攻撃アクションが移動アクションと同じもの(壁を掴むように敵を掴んだり)なので、この辺りがシンプルなのが良かったなと。アクション下手な人間は移動と攻撃がゴチャゴチャになりがちかなと思うので……。
チャプター2まではノーマル、チャプター3からはイージーでプレイしたのですが、自分のアクションの腕前だとこれがちょうどよかったです。ギミック重視のところは難易度問わない部分もあったんですが、それでもどうにかクリアできました。
グラフィックはドット絵が基本なのですが、これがとても綺麗で良かったです。
摩天楼のような景色やスラムのような場所が緻密に描かれているところとか、見ているだけでも楽しいです。
キャラの動きもよく動くアニメーションで、格好いいものは格好良く、可愛いものは可愛い感じが好きです。娘ちゃんの動きがどれも可愛い。
ドット絵なのでキャラの表情などはギリギリ分かる感じなのですが、それでも表情豊かに伝わってくるのが凄かったです。
ハードな世界観に合ったBGMも格好良く、終始気分を盛り上げてくれました。
ストーリーも良かったです。
娘を殺された退役軍人と天才ハッカーの少女が、大企業の支配する人の消えた都市を駆け巡る……という感じのお話なのですが、謎が謎を呼びつつ先が気になるお話でした。
「なぜ都市から人が消えたのか?」「大企業は何を企んでいる?」「娘を殺したとされるサンナビという存在は何?」と答えの気になる謎が多く、どんどん先に進みたくなりました。
その辺りがすべてちゃんと明かされるのも嬉しかったです。
終盤はボロボロ泣きました。
一部難しいところはありますが、スピーディーなアクションゲームやサイバーパンクなお話が好きな人にはオススメの作品でした。
とても楽しかったです!
ここからネタバレがあります
(致命的なネタバレ予防のために先にしょうもないことを書きます)
ナ・イーロン、存在だけでもギリギリなのにめちゃくちゃ悪いやつでビックリしました。
あともう一人リアル調の方がいましたが、あの人も元ネタがあるんですかね?
アクション面ではチャプター3は難しいと聞いてたので覚悟して進めましたが、チャプター5の消えるブロックのパートが一番苦戦したかもしれません。
ああいうアスレチック系のステージが一番苦手……!
それでも心が折れずに進められたので良かったです。
(ここから本格的なネタバレ)
「マリが実は娘なんじゃないか?」とか「主人公の認識が歪んでてマリの言ってることの方が現実に近いんだろう」とか色々予測しながら進めてたんですが、予想は出来てもどう転がるかは分からなかったので、謎が解けていく度に「そうだったのか!」となって面白かったです。
人が消えた理由、奥さん/母親の話題が全然出てこない理由、マリの不可解な行動などが全部明かされたので良かったです。
残酷な話ですが、マリ視点でどんな景色が広がってたのかを最初から見たい気持ちもあります。
全部を知った上でもう1周するのも楽しいでしょうね。
「サンナビ」の正体や意味深に出てきた「最後までやり遂げることが大事じゃない」という言葉の意味が、端から見れば些細なものだったのも好きです。
些細なものだからこそマゴグループには真意が分からず、けれど主人公とマリにはかけがえのないものだったっていうのがじんわりきました。
サンナビのメロディーが随所で使われてたのもすごく好きです。タイトル画面の曲からずっと使われてたのが「答えはずっと目の前にあった」という感じで良いですね。ゲームだから出来る演出で好きです。
この作品は復讐譚かと思ったら冒険譚で、それでいて弔いの話だったのかな、と思いました。
復讐すべき存在は存在しなかったり勝手に滅んだりしてるし、実際にあったのは父と娘の大都市を巡る冒険だったし。
そしてマリはもちろん、大佐と少佐もほんの僅かな時間だけど将軍と再会し、きちんと別れを告げられたので良かったなと……。
エピローグの前向きな雰囲気が好きです。
本当にやって良かった作品でした!