Lorelei and the Laser Eyesをクリアしました【途中からネタバレ有】

Switch版「Lorelei and the Laser Eyes」をクリアしました。
数日間夢中になって遊びました。ひたすら紙に色々書きながら謎解きするのも、探索するのも、物語を考察するのも楽しかったです。
ネタバレすると勿体ない作品なので、ネタバレなし→ちょっと内容に触れる→ネタバレ有り感想と続けていきます。

Lorelei and the Laser Eyesは4月のインディーワールドでトリとして紹介されてた時点で気になっていた作品でした。

インディーワールドでの紹介動画。子安さんの落ち着いた声で読まれる手紙にしんみりする

「多分好きだろうなぁ」と思いつつ購入したのですが、本当に好きなタイプの作品でした。
主人公が何者なのか謎、舞台の建物が何なのかも謎、誰が主人公を招いたのかも謎、進む先にも謎、謎じゃないのは可愛いラブラドールくらい。それでもパズルや謎を解いていくのは楽しいし、謎めいた雰囲気や美術も見ていて楽しい。何が起きるんだろうとワクワクしつつ進めました。
BGMが自分でレコードプレイヤーを起動して聞く、という場面が多いのも世界観に合っていて好きです。
謎は簡単なものから難しいものまで色々ありましたが、ヒントや導線はこの手のゲームの中では優しい方かなと思いました。(難易度は全然違うけど)最近のカービィくらいの優しさを感じた。
インディーゲームの謎解きのヒントとかって、星のカービィ2くらいのものとかも結構ある気がするので……!
プレイ中はやや面倒な部分はありましたが「二度とやりたくない!」と思うような部分は個人的にはなかったです(ラジコン操作になる所はちょっと面倒ですが)。色々気になるところはあるのでいずれもう一周するつもりにはなってます。

上に貼った動画とかにビビっと来た方は是非遊んで欲しいなと思いました。

ここからちょっとネタバレ

Spotifyにサントラがあったので早速聞いたのですが、一曲目がタイトル画面の曲ではなくピアノのシーンの曲なのに驚きました。
あの曲とても好きです。
クイズクラブのBGMも好きです。恐らくドラムだけで演奏されてる曲、良いですよね。

好きな謎はボックスを開くためのやつです。
時々一人称視点になるので酔いそうで怖かったけど、どれも面白い仕掛けで良かったです。

一番好きな場面はエンディングですが、コーヒーのサブスクを解禁するイベントも好きです。
自分もコーヒー中毒なのでRenzoの言い分に「わかる……」となりました。
あと縛られてるRenzoを放置して抜け道開けようとした時のセリフも好きです。放置してごめんね。

ゲーム内ゲーム、元ネタあるんですね。
ゲーム業者が「さよならワイルドハーツ!」で電話切るの好きです。
さよならワイルドハーツも買ったのでいずれやります。


ここから本格的なネタバレ



どこまでが真実でどこまでが創作でどこまでがLoreleiの頭の中で考えられたことなのかがあやふやで、物語の全容は掴めてません。
雰囲気も決して明るくないですし、過去を振り返るようなお話なので単純明快ハッピーエンドにならないことは予想してました。
でもあのエンディングでとても良かったと思います。最後に現れた二人はLoreleiが見た夢のようなものだけど、でもやっとLoreleiは穏やかに眠れたんだろうなと。
分かってる事実だけでいえばLoreleiは加害者ではあるけど被害者寄りだし、事情を知った多くの人はLoreleiを責めないとは思います(警察も一番怪しい立場にいるLoreleiを逮捕しなかったわけだし)。
でもきっとLoreleiは自分自身を許せなかったんでしょうね。
だから死の間際にレーザーの瞳(=鋭い観察眼とかそういうものかなと理解しました)で真実を見に行ったんだと。

ゲームの中で探索した世界は後悔や罪悪感だけでは作られてなかったと思います。
Renzoに対してもネガティブな感情(理不尽なことをされた怒りやほとんど事故とはいえ殺してしまったことによる後悔)だけじゃなく、ポジティブな感情も抱いていたでしょうし。
でないとコーヒーやダンスの記憶まで再現されないと思うので……。
LoreleiからRenzoに向けていた感情は芸術家としての尊敬とか情とかそういうのだったのかな、と感じてます。

2014年のLoreleiが患っていたのは認知症だと考えています。
カルテは黒塗りばかりでしたが、両親のことや仕事のことといったエピソード記憶を確認しようとしていたっぽいので。
介護施設の人がLoreleiにかつての彼女の話題を振っているうちに、Loreleiの頭の中に無意識に事件のことが湧き上がってきて、最期に封印してた真実に目を向けようとしたのかなーと想像してます。
そう思うからこそエンディングが好きなのかもしれません。
Renzoの顔が曖昧(映されない)→事件の時の恐ろしい様子→恐らく一番見ていただろう普通の表情と鮮明になっていく感じが「やっと思い出せたんだな」という感じがしたので。

The Third Eyeの物語とかフクロウ仮面の少女とか、この辺りはまだ飲み込みきれていません。
芸術作品と商業の話といった部分もふわっとしか受け止められていません。
この辺りをもうちょっと噛み砕きたいので、いずれもう一周するつもりです。

とても美しい作品でした。

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